会長挨拶

会長 濱口 浩敏
北播磨総合医療センター 脳神経内科

 この度、2023年10月21日(土曜日)神戸国際会議場にて開催いたします、日本超音波医学会第50回関西地方会学術集会会長を拝命いたしました、北播磨総合医療センター脳神経内科 濱口 浩敏と申します。神戸開催は2018年以来、5年ぶりとなります。期せずして、2023年は現在改修中の神戸ポートタワーがリニューアルされる年でもあります。

 今回の学術集会のテーマは、『次代につなげる、次代につながる超音波』です。ご存じの通り超音波検査は非侵襲的かつベッドサイドで簡単に行うことができる画像診断技術であり、医師のみならず、検査技師や放射線技師、看護師が使用可能だけでなく、2021年10月からはバスキュラーアクセスの管理において臨床工学技士も超音波検査に携わることが可能となりました。特に私が専門とする血管領域、脳神経領域においては、まだ歴史の浅い領域ではありますが、超音波検査は臨床ツールとして、なくてはならない検査法となっています。また、血管領域は、循環器領域、消化器領域、体表領域など様々な領域と密に繋がっています。さらには、医工学領域との関係性も、血管機能や血流評価において、繋がりの強い領域となっておりますし、メディカルスタッフとの連携はずっと意識して行ってきたことです。このように様々な繋がりをもつことができる点は、超音波検査ならではであると思います。今回の領域横断テーマでは、領域を超えたテーマのみならず、医工学との連携、メディカルスタッフとの連携が見えるようなテーマを提案したいと思います。

 今回のもう一つのテーマとしては、第50回という節目の学会であることから、「次代に」つなげる・つながるような内容を考えています。超音波装置の進歩は目覚ましく、多くの領域・多くの疾患において治療方針を決定していく上で中心的な役割を果たすようになりました。幸い関西地方会では各領域において名だたる先達が多数おられます。今回の特別講演には日本超音波医学会理事長であられる飯島 尋子先生と、血管領域の師である松尾 汎先生にお願いいたしました。両先生には今までの足跡や次世代に向けたメッセージを発信していただきたいと思います。他にも各領域の先生から繋がりを意識した講演をお願いする予定です。

 本会においては、領域横断や医工学との連携、職種連携など、未来に向けて繋がっていくような内容をお伝えしたいと思います。2020年から始まった新型コロナウイルスの猛威はどこまで続くのかわかりません。最近の学会様式は変化し、現地開催とWeb開催のよいとこ取りをしている面が大きくなりました。繋がりを実感してもらうためには、やはり現地開催を行い、直接会っての対話が望ましいと考えています。そのため、今回の学会では、現地開催を中心として一部オンデマンド放映を検討しています。皆さんにも神戸の地で学会を楽しんでいただきたいと思います。多数のご参加をお待ちしております。