会長挨拶

第16回日本ポイントオブケア超音波学会学術集会
大会長 渡邊 至
国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院麻酔科/横浜市立大学医学部麻酔科

 この度、第16回日本ポイントオブケア超音波学会学術集会の大会長を務めさせて頂くことになりました渡邊至です。 地域中核病院で勤務する一麻酔科医ですが、学術集会を開催させていただくにあたってご挨拶を申し上げます。

 第16回学術集会は2024年7月27日(土)~28日(日)の2日間、国立国際医療研究センターでの開催を予定しています。 前回島根での第15回学術集会が初めての地方開催となり、大盛況のうちに終了し今回は再び東京での開催となります。

 POCUS(ポイントオブケア超音波)という概念が学術論文として発表されてから10年以上が経過し、超音波診断装置(エコー)は臨床において必須の診療ツールとなりました。私が従事している麻酔科領域でも超音波ガイド下神経ブロックが急速に普及し、エコーはまさに“ゲームチェンジャー”として周術期鎮痛の質を引き上げつつあります。

 一方、“いつか”必ずPOCUSに関わる医師約1万人、看護師約6万人が毎年新たに誕生します。残念ながら日本ではPOCUSのフレームワークは未整備であり、実際の関わり方には大きな個人差があります。私自身2015年に本学術集会に初参加しましたが、専門外であっても臨床像を瞬時に解説してくれる“勝負画像”に毎回ワクワクさせられてきました。今大会でも、本学会の特長である多領域の(医学以外も!)エキスパートに集まって頂き、参加者がエコーへ興味を持って自分で始めてみるきっかけになればと考え、「POCUSの季節」というテーマに致しました。

 POCUSを始めるにあたり必要な知識(原理、ピットフォール、リスクなど)についての基礎的で分かり易い講義を始め、エコー初学者向けのハンズオンセミナーも、通常の若手医師・看護師向けだけではなく、“デビュー”のタイミングを計っている部長・師長さん向けを企画しています。前回激アツであった学生企画やエコー争奪戦も、コンパクトな会場に押し込むべく鋭意調整中です。

 大会会期にはCOVID-19の感染も落ち着いていると期待していますが、柔軟に対応しつつ準備を進めてまいります。皆様のご参加をお待ちしております。