Q&A −当日会場でお受けした質問と回答

心エコー領域 

回答者:エコーボーイズ116(山田 博胤 先生、和田 靖明 先生)

質問

心室瘤について@
心室瘤とはどの程度のでっぱりで言うのか。
外膜ラインをこえたら?見た目で瘤っぽかったら?

回答

心筋壁が菲薄化して、収縮期における内方への運動が無くなって外方に運動する(dyskinesis)ようになっている部分が瘤です。形態と運動を併せて評価して決めています。


質問

心室瘤についてA
先日経験した心室瘤。真性瘤?ruptureの原因は正常壁との境目だからやぶれやすいのか。中隔はやぶれやすいのか。

回答

広範囲の心筋梗塞よりもむしろ小さめの心筋梗塞のほうが破裂しやすいと言われています。エビデンスはないと思いますが、正常心筋によるストレッチが壊死部における破裂の大きな原因になっていることは間違いないでしょう。心室中隔は前下行枝一本で養われていることが多いので、穿孔しやすいのかもしれません。自由壁が破裂するとほぼ死亡しますから、実際にエコーで穿孔が観察できるのは心室中隔なので、中隔穿孔を見る頻度が高いのだと思います。


質問

心エコー M弁の評価
ここ(画像参照)が短いので前光が後光に対して長くなり、MRが後方へ偏移してふく。Prolapseではないと思うがどう評価すべきか。壁とM弁がはなれている。どうなっている?

回答

後尖の一部が拡大した左房に張り付いてしまうので、弁尖としてエコーで見える部分は短くなったように見えます。後壁と僧帽弁輪が離れる状態をmitral annular disjunctionと言って、突然死の原因になると言われています。検索すれば病理学的なことも書かれてあります。


質問

粘液腫
粘液腫と脂肪腫の見分け方はありますか。

回答

粘液腫は心房中隔の特に卵円窩についていることが多いです。脂肪腫は粘液腫と比べて極めてまれです。エコーで両者を区別することは不可能ですが、脂肪腫が珍しすぎるので、粘液腫といっておけば当たる確率が高いです(原則、エコーで組織診断はできません)。

質問

AS評価
心エコー初心者です。AS評価の右側臥位描出が上手にできません。重要性は理解しますが、大動脈の描出ができなく困っています。何かコツでもあるのでしょうか?血流に対し、流速測定が平行にできません。角度を変えていくと血流が消えていきます。合わせてお願いします。

回答

傍胸骨左室長軸断面は出せますよね。長軸断面を出したら、その断面を含む大きな平面を仮想します。大動脈弁口〜バルサルバ洞は必ずその平面にあるはずなので、プローブを平面上で動かして(見ている画面が常に同じ平面上の画像)、血流とビーム方向を合わせにいきます。カラードプラで弁口付近のモザイクシグナルを出しておいて、それが消えないように、先ほど仮想した平面上でプローブを動かしてみてください。

質問

右心負荷
右心負荷を右房−右室の圧較差とIVC径で推定していますが、危険でしょうか。心エコーで推定しうる条件を教えてください。

回答


右室内〜肺動脈弁〜主肺動脈に有意な狭窄がなければ、右房―右室の圧較差+推定右房圧(下大静脈の径と呼吸性変動)で、肺動脈圧が推定できます。若年や慢性心房細動、慢性TR、人工呼吸管理下では、IVCの径が圧を反映しないので注意が必要です。

質問

肺高血圧
PAPs推定しています。右室流出路血流速波形での確認が必要でしょうか。他条件を教えてください。

回答


上記のごとく、PSがないことを確認すればよいので、カラードプラ法で狭窄がなければ、わざわざ右室流出路血流速波形をとらなくてもよいです。

質問

左房圧上昇@
TMFでE波(高齢者)の増高があればLAPの上昇と考えていいでしょうか。

回答


高齢者では、僧帽弁輪石灰化によってMSに近い状態となることがあり、その場合は左房圧が上昇していなくても、E波が増高します。

質問

左房圧上昇A
L波の出現はLAPの上昇を疑うとありますが、出現理由を教えてください。

回答

L波出現のメカニズムはいくつか報告されていますが、肥大型心筋症では、左室の弛緩がめちゃくちゃゆっくりなため、E波が終わった後も左室弛緩が続き、拡張中期に左室圧が左房圧よりも低下するとL波が出現します。左室の弛緩がめっちゃゆっくりということは、左室圧が下がりにくいということで、その結果、拡張末期圧が高くなるので、左房圧も高いことが多いです。

質問

左房圧上昇B
左房圧推定にE/e'やPRの拡張末期圧血流速度からのLVEDPがありますが、最も精度が高い方法は何でしょうか。

回答


左房圧そのものとの相関は、どんなエコー指標も精度が高くありません。左房圧が著明に上昇していることをうかがい知るには、E/e'がまだましなように思います。

質問

右心不全@
「右心不全は左心不全に続発する」とありますが、TAPSEや三尖弁輪運動速波形で知ることができますか。計測が正常値であれば、まだ右心不全に至っていないと解釈して良いですか。

回答


原則、心不全は症状で診断するので、エコー指標だけで診断するのは危険です。TAPSEや三尖弁輪運動が正常でも、右心不全を来していることあります。

質問

右心不全A
右心不全から左心不全を引き起こすことはあるのでしょうか。どのような疾患が考えられますか。

回答


右室圧が高くなったり、右室が拡大すると、中隔を圧排するので、左室拡張能が低下し、左心不全を生じることがあります(reverse Bernheim現象)

血管エコー領域

回答者:濱口 浩敏 先生

質問

下肢静脈エコー
高齢の方によく見かけるSFVあたりに壁在血栓のような均一な壁の肥厚?はどう評価すべきか。D-dimerが上がってないとして壁在血栓ととるのか、加齢で静脈壁が肥厚することがあるのか。頸AエコーのIMTみたいに見える。

回答


比較的よく見かけるパターンですが、慢性静脈血栓の場合、索状あるいは壁在血栓を観察することがあります。壁在血栓については一見壁肥厚にもみえますが、同部位のみの限局性である限りは壁在血栓となります。


質問

頸Aエコー
表面が凸凹なのとulcerとの区別。石灰化と石灰化の間でもげたようにも見えるが単なる凸凹なのか区別がつきにくいときはどう評価したらいいですか。(前回値なし)

回答


短軸および長軸で明確な陥凹があった場合を潰瘍と表現します。石灰化と石灰化の間については基本的に同部位が剥がれて遊離する可能性は低いです。鑑別する際は、短軸、長軸で陥凹部の性状を詳細に観察し、周囲の内部性状と同様なのか、違うのか、陥凹面が整なのか不整なのかなども参考にします。


質問

MaxIMT
プラークがある場合、MaxIMTはいちばん大きいプラークをMaxIMTとするのでしょうか?それともMaxIMTなのでプラーク以外の一番厚いIMTを示すのでしょうか?解釈に悩んでいます。宜しくお願い致します。

回答


max IMTはプラークを含んでの最大肥厚部位を指します。

質問

腎動脈エコー
狭窄を起こしやすい場所で動脈硬化変化は起始部、FMDは遠位、というのは理解していますが、実際のルーチンでは腎動脈の前兆にわたる観察はしているのでしょうか。年齢で区別?FMDと動脈硬化の重複などは考えなくても良いですか。

回答


まずは臨床症状を確認します。年齢や性別は重要なファクターになります。基本的に心エコー検査時に高血圧があった場合に腎動脈起始部狭窄の有無を確認するということはありますが、腎動脈エコーのルーチン検査という意味では、腎動脈起始部から遠位部までの評価、腎内血流の評価、大動脈の評価が必要になります。年齢および動脈硬化危険因子の存在によってはFMDとの重複はあり得ます。

質問

DVT@
ヒラメ静脈で3〜4mmの器質化血栓が見られることがあります。経過の中で縮小したと解釈していいのでしょうか。

回答


経過の中で縮小した可能性と、もともとそのサイズで器質化した可能性が考えられます。

質問

DVTA
ヒラメ静脈の器質した血栓は経過観察でいいのでしょうか。弾性ストッキングの使用は禁止でしょうか。

回答


症状がなく、Dダイマーが正常であれば経過観察可能です。また、その場合は弾性ストッキングも装着可能です。

質問

DVTB
血栓の薬物治療の目安は何でしょうか。

回答


症例によります。詳細は日本循環器学会、日本静脈学会などが合同で作成された肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)をご参照ください。

質問

ASO
くるぶし付近で計測した後脛骨動脈の流速が3m/sを越えました。動脈硬化で下肢の末端(遠位側)が閉塞することがあるのでしょうか。

回答


もちろん動脈硬化で末梢遠位部の狭窄・閉塞はあります。閉塞性動脈硬化症の重症下肢虚血や足趾壊疽を想定してもらえればと思います。

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