エコー淡路2017にて当日お受けした質問の回答です

心エコー領域

質問

PFOとSmall ASDの違い
LA→RAにぬける血流がわずかに見えるときにPFOの血流なのか小さなASDの血流なのかよくわからないので、鑑別方法を教えて欲しいです。あと、たまに大動脈弁レベルの短軸で心房中隔のところに青いフローが見える事がありますが、これは冠静脈の血流なのでしょうか?

回答

原則的にスリット状になっていて,バルサルバなど負荷がかかったときにだけシャントを認めるのがPFOです.しかし,心房が拡大するとPFOでも常時シャントを認めるようになることがあります(streched PFO).解剖学的な定義とは少し違いますが,エコー的には,通常は左房圧が高くて閉じているスリット状のものがPFOで,常時シャントが見えるものは,small ASDと呼んでいます.
心房中隔のそばの右房内の青色フローは,実際見てみないと分かりませんが,拡張期のフローですか?右冠動脈にしては少し離れている気がします.SVCから流入する血流,IVCから流入した血流が反転しているものなどが考えられます.(山田 博胤先生)

質問

Af時の弁膜症評価で定量評価を行ってよいか
Afを認める患者様の検査時にAR、MRそれぞれが中等度認める場合、定量評価は参考にせず、定性評価のみから判断すべきなのでしょうか?

回答

あまりにも頻脈でないAfであれば,PISA法やvena contractaはある程度利用できると思います.中等度AR+中等度MRのときの重症度評価は,洞調律でも難しいことがありますね.いずれも左室の容量負荷で左室が拡大するので,どちらが効いているのか悩むことも多いです.ARは大動脈の拡張期引き込み血流の程度,MRは僧帽弁口血流や肺静脈の収縮期波高などを参考にして,重度か中等度かを判定するとよいと思います.(山田 博胤先生)

質問

肺高血圧の指標
平均肺動脈圧25mmHgが肺高血圧の指標となっていますが、PRの拡張早期PRPG = 4(VPRm/s)2で推定できますか

回答


mPAP = 4(PRpeak velocity)2 + RAP で推定できます.これは兵庫医大の増山教授の論文が原著です.Masuyama T.Circulation. 1986;74(3):484-492.(山田 博胤先生)

質問

MVA(弁口面積)
僧帽弁狭窄の弁口面積の計測において 1/2PHTのトレースのしかたを教えて下さい。拡張早期波(E波)だけのトレースか心房収縮期波(A波)を含めてトレースするのか。

回答


pressure half timeは、波形をトレースするのではなく、E波の減速の傾きから算出してください。E,A両波を囲うのはMVAを出すときに、僧帽弁血流量を出すときです。(山田 博胤先生)

質問

QP/QS測定におけるRVOT(PA)径測定
RVOT径の測定をRVOT Distalの収縮中期で行っていますがQP/QSが病態と解離(大きく算出)されることが多く思います。RVOT-Proxで測るのが良いのか、P弁付近PA径で測るのが良いのか何か改善するコツがあればご教示願います。

回答

ROVTが,正円ではなく,楕円であることが一つの理由だと思います.右室流出路を,大動脈弁レベルの短軸断面と,それと直行するような長軸断面の両方で測って,楕円として推定するのが良いのではないかと,我々は報告しています.肺動脈は円形のことが多いので,肺動脈径で測る手もあると思いますが,その場合はドプラも径を測った場所にサンプルボリウムを置く必要があります(こちらのエビデンスは知りません).
経験を積むと,右室と左室のサイズを見比べると,なんとなくQp/Qsが分かるようになると思います.Visual Qp/Qsと呼んでいますが,それができるようになったら,その値と乖離しないように計測することが,間違わないコツだと思います.(山田 博胤先生)

質問

心のう液の推定について
施設の基準値が曖昧な場合、山田先生の”心エコーポケットノート”を用いて所見を書くことが多いのですが、70ページ□ECHO free spaceによるPE推定を参考に全周性1cm/右室前壁にも認める/右房collapseをみたため、推定300〜500mlと報告したところ、どうみても100mlにしかみえない。穿刺したけど抜けなかったと苦情を受けてしまいました。患者様の体格(70代女性、やせ型)もあったと思うのですが、正しい推定法を教えて下さい。また、推定量は報告しない方が良かったですか。

回答

ポケットノートを愛用していただき,ありがとうございます.この貯留量は,体格が考慮されていないので,日本人のご高齢の方では,少し多く評価されるかもしれませんね.改訂版では考慮したいと思います.体形や体重なども考慮した貯留量の推定法はありません.貯留量の正確な推定は難しいと思うので,報告書には,軽度,中等度,重度貯留くらいの表現でよいと思います.今後,三次元エコーで正確な容積が測れるようになるかもしれませんが.

しかし,心タンポナーデでもない限り,1cmくらいの貯留で右房コラプスしか認めない場合,抜きにいくことはまずないと思います.(山田 博胤先生)

質問

心エコー時の腫瘤内部エコーの所見について
初歩の初歩の質問で申し訳ありません。初日のCaselでの血栓の表現で等エコー腫瘤(+)とありました。私自身は今まで高エコー腫瘤と記載していましたが、どこの部分のエコー輝度と比較して等エコー、高エコー、低エコーとするのでしょうか?

回答


心臓では左室心筋のエコー輝度を基準にすればよいと思います.心筋と同じ感じなら等輝度(等エコー),石灰化は白くなって高輝度,心腔内など血液は低エコーです. (山田 博胤先生)

質問

ドプラ計測時の波形
TR波形カットオフサイン=の説明の時に「圧力が高い時」とのコメントでしたが、どこの圧力が高い時でしょうか?
PWで時々みえる、LVOTのこれ は何ですか?サンプルボリュームの位置がずれているから出るのでしょうか。

・サンプルボリュームは2〜3mmでやっています。
・頻脈の方だと癒合してきたりします。
・心不全の強い方で良くみる様な気がします。

回答

TRのカットオフサインは,右房圧波形のV波が急峻に上昇していることを表します.TRがどしゃっと入って,右房の圧がぐぐぐっーと上がるため,TRが入って来れなくなっている状態です。

大動脈弁が開く前,等容性収縮期の波形ですね.その時相は,大動脈弁も僧帽弁も閉じていて,左室内圧がぐーっと上昇します.左室は心尖部から心基部にかけて収縮していきますので(収縮不全心では,心基部の拡張が遅く,まだ拡張が終わっていない時期に,心尖部の収縮が始まる),弁が閉じていても左室内で圧較差が生じて血液が動きます.その流れを捉えているのだと思います.文献探してみましたが,見つけられませんでした.名古屋の大手先生たちが研究発表していた記憶があるので,今度聞いてみます.(山田 博胤先生)

血管エコー領域

質問

椎骨動脈について
椎骨動脈はIMT肥厚をプラークという概念はあるのでしょうか?
プログラム内で椎骨動脈解離のお話があったのですが、椎骨動脈の壁内血腫と考えるのでしょうか?

回答

椎骨動脈についてもときどきIMT肥厚やプラーク例に遭遇しますが,血管径の問題や横突起内に走行するといった違いがありますので,総頸動脈・内頸動脈と同様の基準値とできるかどうかは不明です.限局性隆起性病変を発見した場合,性状評価が重要になります.なお,椎骨動脈解離でみられる壁内血腫は,同部位の血管径が前後の血管径に比して拡張し,限局性に内腔側を圧迫するような形でみられます.プラークとの鑑別としては,血管径以外には横突起内に走行するC6横突起前後が中心であること(動脈硬化の場合は起始部に多い)も挙げられます.(濱口 浩敏先生)

質問

下肢エコーのf 'u期間
・Dダイマーが搬入時の時点で高値(SAH骨盤FX.etc)の場合、下肢エコー後1週間でのDダイマー測定は必ず(+)となるのですが、その場合は1週間後に下肢エコー再検となるのでしょうか? (例:搬入時Dダイマー100→1週間後Dダイマー70)
・PE患者(DVT(+))の血栓溶解療法開始後の下肢エコーf 'uは大体いつ頃にすべきですか?
・レクチャーでDダイマー(+)とよくでてきたのですが、陽性ととる値はいくつ以上ですか?

回答

・Dダイマー(+)でエコーをした場合、実施した下肢エコーが全下肢エコー(whole leg US)なら不要です。2ポイント法などのproximalCUSなら、再検が必要です。
・安静解除前に実施することををお勧めします。
・検査法によって値が異なります。また、値は必ずしも重症度評価とは平行しませんので、使用キットでの異常値は、陽性として頂いてよろしいと思います。(松尾 汎先生)

質問

下肢動脈、静脈の効率的な検査のすすめかた、腎動脈
・下肢動脈の検査のスクリーニング的な検査手順と狭窄の前後で波形が変化することについては本によく載っていますが、ほとんど閉塞してしまっている場合(カラーで追えない、パルスものらない)本当に閉塞しているのか、抽出できていないだけなのかがわかりません。

回答

急性閉塞であれば、閉塞部血栓の輝度が低く、血管径も保たれており、カラーが乗れなければ急性閉塞と判断できます。 しかし、慢性閉塞の場合は石灰化病変も多く、石灰化の陰影によるカラーの欠損と閉塞による欠損の判断が難しいです。 このような慢性閉塞や慢性狭窄の急性閉塞転化の症例では、側副路の発達を必ず伴っているので、側副路の検索が重要な所見となります。通常、側副路血管には石灰化病変が少ないのでカラー血流情報が得られ、末梢で本幹に流入する所見を確認できれば、本幹は閉塞または閉塞に近い高度狭窄であると診断できます。ポイントは側副路の検索と側副路から本幹への再流入確認ということになります。数値での評価を望むのであれば、TVF(血流通過時間)で計測される心電図R波から血流波形の最高流速出現時間までを測定すると数値で評価できます。血管の硬化度により正常範囲が異なるので、左右での比較が原則となります。(久保田 義則先生)

質問

下肢動脈、静脈の効率的な検査のすすめかた、腎動脈
下肢静脈DVTと静脈瘤が一度に検査依頼された場合、計測する場所、基準値を教えて下さい。

回答

DVTとVarixの検査が一度に依頼された場合と別々に依頼された場合でも計測する場所や基準値は同じです。一般にDVTの拡張基準は、並走する動脈径と比較したり、対側の同名静脈と比較し判定します。また深部静脈の弁不全は1.0秒を超える逆流を有する場合、深部静脈弁不全と判定されます。一方、表在静脈では正常の大伏在静脈の太さは、通常3〜7mm程度、小伏在静脈は2〜4mm程度とされています。逆流時間は0.5秒を超える逆流を有する場合、弁不全と判定されます。また計測部位は大伏在静脈では合流部、大腿中部、下腿部、小伏在静脈では合流部、下腿中部が基本とされ、さらに血管内治療の適応基準の判定は、大腿静脈への合流部から5〜10cm離れた部位での径なども必要となります。詳細については、日本超音波医学会から公表される標準的評価法(案)を参考にすることをお勧めします。(山本 哲也先生)

質問

下肢動脈、静脈の効率的な検査のすすめかた、腎動脈
腎動脈エコーで腎内血流を計測する場合、腎門部、区域動脈、葉間動脈それぞれを3か所計測する必要がありますか?
また3か所計測して1か所だけ流速やピークが違っていた場合、所見用紙にはどう記載したらいいでしょうか? 腹部大動脈の流速の正常値はいくらですか?低すぎる時のRARに臨床的意義はありますか?

回答

腎機能は末梢の血流測定の方がよいとされている。しかし、腎機能が悪くなると末梢から血流が確認できなくなります。腎内血流は腎門部、区域動脈、葉間動脈の3カ所測定が望ましいと思われます。3カ所測定して1カ所だけ明らかに高速血流なら狭窄や動静脈瘻を疑います。腹部大動脈の明確な正常値はありませんが、50〜100cm/s程度で、若年者のほうが早い傾向です。腹部大動脈の血管径と走行が正常であればRARは有効ですが、腎動脈起始部と入射角度を合わせることで信頼性が向上します。低すぎる時のRARの報告はございません。(三木 俊先生)

質問

腎被膜下血腫の時の腎動脈エコー検査
外傷により大動脈解離(Stanford B、偽腔閉塞型)と腎被膜下血腫(左腎)を生じた患者さんの腎動脈エコー検査が依頼されたのですが、通常の検査項目(腎動脈起始部の血流、RAR、腎実質内血流評価RI)の他にどの様な点に着目して検査すれば良いのでしょうか。上記の内容の他に大動脈解離が腎動脈に及んでいるかどうか、腎サイズはどうかも観察しています。 腎被膜下血腫があることで腎実質血流(区域動脈)に変化を生じるのでしょうか?
右腎動脈解離(+):偽腔閉塞のため、起始部の流速上昇し、腎実質血流のATは延長を認める。左腎動脈は真腔から起始し、解離(-)。腎実質血流は上、中、下いずれもAT延長(-)だが、中と下では低流速であった。腎サイズは血腫を含めて計測したので、腎サイズの左右差があると言っていいのかわからなかった。左腎動脈狭窄(-)まとまりのない内容で申し訳ございませんが、教えて頂けますでしょうか。

回答

外傷による腎被膜下血腫ということですが、腎実質に血流障害が無いか、仮性動脈瘤などの合併がないかも確認することは必要だと思います。血腫の程度によると思いますが、そのために腎内区域動脈の血流に明らかな変化を認めることは少ないと思います。大動脈解離が腎動脈に及んでいる場合、検査項目は通常観察されている項目で十分だと思います。腎のサイズについては左右差よりも、被膜下血腫の治癒過程での変化を確認するために、経過観察ではできるだけ同じ断面で計測することが大切だと思います。(平井 都始子先生)

質問

下肢動脈
SFAのステントグラントの評価するポイントは?(日本ゴア バイアバーン ステントグラフト)
エッジでPSVRを出すようDr.に指示されたが出口はPSVR=エッジのPSV/ステントグラフトの中のPSVなのでしょうか

回答

SFAのステント留置後の評価にて、エッジ部分は再狭窄やプラーク増殖が多いため、最高血流速度で評価します。PSVRは狭窄部と中枢正常部分で評価します。(三木 俊先生)

質問

ドプラを用いた血流量計算における、血管径計測の時相選択
脳血流をドプラと血流音で推定する研究のお手伝いをしています。血管径(面積)とPSVから計算しているのですが、血管径計測の時相について悩んでいます。今後、他の技師も参加する可能性もあるため、技師間誤差を少なくするにはECGのRに合わせて計測するのが良いと思いますが、血流量の計算をする上でRの時期で良いのか・・・勉強不足故の疑問だと思いますが、ご指導いただけると幸いです。
PSVと血管面積(半径×半径×π)から計算して脳血流を推定していますが、長軸像での計測を半分にして半径としています。

回答

どの部位の計測を想定しているのかが不明ですので,回答として正しいかどうか分かりませんが,血流量の評価として回答いたします. まず,頭蓋内血管を対象としてエコーで血流評価する場合は,血管径を計測することはできませんので,血管径を用いた血流量の評価はできません.
総頸動脈での血流量評価と言うことであれば,基本的にどの心電図時相であれ誤差は出現します.施設内で技師間差をなくすためにR時相で統一して計測してもらっても結構です.
血管面積については総頸動脈である限り短軸断面積を計測することが可能ですので,長軸での計測にこだわらなければそちらの方が精度は高くなると思います.(濱口 浩敏先生、久保田 義則先生)

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